鉱物標本 合成石 電子回路設計のお店 シーサーズ・ラボ
某照明メーカーに技術者として勤める、 同期メンバーで立ち上げたモノづくりチームです。 日夜、おもしろ商品の開発を行っています。現在はラボ長が脱サラし、個人事業として運営しています。
はいさい!シーサーズ・ラボの山崎です。
今回はスウェディッシュブルーの、あの独特の青の色起因を探ってみました。
まず、スウェディッシュブルーというのは、スウェーデンのベルグスラーゲンで取れる、鉄鋼スラグです。
年代は16世紀~18世紀頃とされていますが、人やお店によって年代に多少バラツキがあります。
なお、鉄鋼スラグとは、鉄鉱石等から鉄を取り出す際にでる廃棄物です。
詳しくは調べてみてください!
鉄鋼スラグは世界中どこでも発生しますが、このスウェディッシュブルーだけが、独特なブルーとなっています。
(実は有名になっていないだけで、他でも取れる可能性は十分ありますが)
そこで、この色を起因を探ってみることにしました。
ネットで調べる限り、厳密に解析した人は居ないようで、
やれ銅だとか、いや鉄だろうとか、ハッキリはしていないようでした。
その為、いつも解析をお願いしている所へ、今回も解析をお願いすることにしました。
その解析レポートは下記となります。
蛍光X線分析で成分を分析してもらいましたが、銅はまったく含まれていないという結果でした。
また、鉄は含むのですが、青色が濃い方が濃度が低い為、鉄起因とは言えないでしょう。
怪しいのは微量に含まれていたモリブデンとチタンとのことでしたが、今回の分析だけでは断定はできない という結果でした。
色起因を探るというのは、なかなか難しいのですね!
なお、ネット情報には「地中で数百年という長い年月をかけ、スラグがゆっくり変化した」といった記載もありましたが、
これは間違いでしょう。
本品は熱いスラグを廃棄し、自然に冷えたらもう出来ていたと考えられます。
たかだか数百年で変化するのは、ローマングラスのように表面のごくごく薄い領域程度でしょう。
ではなぜ、このスラグだけ青いのか。
先にも述べたように、有名になっていないだけで、他でも取れている可能性はありますが、
現段階では、この地方で取れる鉄鉱石等に含まれている成分が独特だったのだと思います。
また、スラグのような廃棄物は本来制御して作るものではないので、偶然色が付くことはあるそうです。
こういった偶然もあったのかもしれませんね!